玄関前に布団を敷いて寝る事にも慣れた今日この頃
一番に起きたフリックさんの目に、映ったものは……
微妙に広くなった我が家
神の御意志ですフリックさん
中途半端に金が出来たので、相当微妙に増築してみました
家の左側を少し広げて、洗面台の位置とか変えて、トイレと風呂のタイルが変えたが
微妙過ぎる。目の錯覚じゃん。分かるかよ、こんなもん
「ま、気にすんなよ。とっとと働きに行け」
と、何も気にしないにも程があるパンツ一丁のシーナさんに見送ら(追い出さ)れ
色々と謎を残したままだが、出勤時間には逆らえん。渋々仕事に行かれました
ルックさんも起きてますが、暫くぼひゃーっとしてたので。きっとフリックが出て行った事、気付いてないよね
そして、朝ご飯作り
彼は、この微妙な増築に気付いているのだろうか
(中途半端に広げるより、窓をつけるか壁紙張って欲しいよね……)
忘れてました
きっとこの家は、コンクリの匂いで充満してるんだろうね。シックハウスになってしまうヨ
まぁ、奴等が化学物質如きに負けるわけないと思うが。便利なエアコン(ルック)もいるし
そして暗い、二人の朝ご飯……
フリックさんは先程出勤して行きましたし、シーナも出勤済み。ビクトールはまだ寝てる
で、残るはこの2人なわけで……爽やかなはずの朝が、ミステリー映画の幕開けの様で御座います
しかも、2人して無言だし……!!
何か喋って2人共!!
……いや、ゴメン。喋ってた、セイは。ルック無反応だったけど
つか、食べるタイミングが微妙に外れてて、会話が通らなかったと云うべきか……
この図でも、食べ終わったルックさんはそそくさと片付けに立ち、セイは2皿目を持って席に着こうとしております
しかも、わざわざルックさんの隣チョイスして!
ルックはわざわざセイの対角線上に座ったのにね!
セイよ……それは嫌がらせかい。それとも仲良くしたいのかい
「いいさいいさ。一人で遊んでるから」
とでも言いたげに。掃除だなんだに精を出すルックさんを尻目に、食後の運動なセイ
起きてきたビクトールさん。パジャマ姿のまま、飯も食わずに近づいてきたかと思うとイキナリ絶賛
「お前、やっぱ剣の素振りも様になんなぁ」
「そうかな?」
「おう。俺ほどじゃねーけど」
「あっはは、それじゃあ勝てるまでやってやるさ」
「うっわー。お前、それ半分くらい本気だろ」
「失礼だな。僕はいつでも100%本気だよ」
「言ってくれるぜ」
ビクトールさんが来た途端、和やかになるリビング
先程までの暗さも気になりません!
これはもう人徳だね!!
破壊魔だけど
ビクトールさんを見て、ようやく思い出したのです。洗面所のシンクを直していなかった事を……(遅!)
故に、ルックさんに修理屋を呼んで頂いた
後ろではビクトールさんが二皿目の朝ご飯をもりもり食べております。反省の色、皆無。熊……
そして昼過ぎ(つーか夕方近くだ)。帰ってきたフリックさん、風呂掃除です
仕事から帰ってきたら家事を手伝う。夫の鏡だねあんた!
因みにルックはご飯作ってたり
隣で昼風呂を洒落込もうとしてるセイが、ブーブー言ってますが……
「フリックー。僕お風呂入りたいんだから、出ていってよー」
「……もう少し待てよ。汚かったら文句言うのはお前だろ」
「今は僕の入浴が先デース。はーやーくーでーてーけー」
「どんな暴君だ……」
「それとも何か。僕の裸が見たいと。フリック、そういう趣味だったんだ。僕もしかして大ピンチ?」
真顔でブチかますセイに、フリックは即行その場を後にしました……あぁ、真面目な不幸……
つか、その疑いが心の底から嫌だったとみたネ
そして風呂上り後、即行で嫌がらせ
折角家事を片付けて、自分のしたい事をやってたのに……
暇だったからって、人をからかいにくるなてめぇ
顔がどんだけ良かろうと、趣味で人をいびる。こんな奴の裸見たいと思われたら、心外もいいトコですよね
そんなこんなで
シーナさんもご帰宅
ビクトールさん、まだパジャマ。コンビニ店員は夜からだからねぇ……
って、もう夜ですよ!
部屋の中が常時暗いので、あんま分かりませんが。実はもう夜です
「暇だね、シーナ」
「新聞読みながら言うし。本当に暇なんだな」
「暇だよ。相当に暇だ」
「俺に何しろっての」
「さっすがシーナ!!
僕が言いたい事をよく分かってるぅ!」
「ほめてくれてドーモ。……で?」
「カイを呼んで下さい」
「(心底呆れ)……自分で呼べよ」
「ダ、ダッテサ、忙シイカラ無理トカ、行キタクナイトカ言ワレタラショックジャナイカ……!!」
新聞で顔を隠しながら、ブツブツコソコソ呟く輩が哀れになったのか
シーナさんはカイの家へと電話をして下さいました
「用意したら直ぐに来るってさ」
「やったーーーーーーーーーー!!!」
「なんか、連れて行きたい奴がいるとか言ってるけど」
「そんなもん、カイが来てくれるなら誰が付いて来てもいいともさ!!
どんとこい!!!」
テンション上がり過ぎですセイさん。キモい
ウキウキと家の中をウロウロしつづける事暫し……
ピンポーン、と家の中に響いたチャイムの音にダッシュでお出迎え
したら
うわぁ、保護者同伴だぁ
「カイ! いらっしゃい!」
「セイさん、こんばんはー!」
しかし、ハイテンションのセイには以外がまるっきり目に入っておりません。ある意味男前だね
シュウさん、どうして背中向けてるんですか。そんなに馬鹿英雄が見たくありませんか
「こんな所で立ち話もなんだし。さぁ、入って!」
「はい! おじゃましまーす」
「あ、シュウ軍師も序に入って」
(……ついで……)
家の中に入っても、セイはカイとしか会話しません
もー見事にベッタリ
ルックは完全無視を決め込んでおります。触らぬ神に祟り無し、とはまさにこの事か
シュウさんはフリックにブーイング中
「おい、そこの青いの。お前はセイ殿の保護者じゃないのか」
「酷い言い掛かりをつけるな。誰が保護者だ」
「未成年者がいる時点で、成人が保護者となるのが筋だろう。保護者ならもう少し言う事をきかせてみせろ!」
「あいつの保護なんて出来るか!
命がいくつあっても足りんだろうが!?」
「やかましい!
お前の取り得なんぞ打たれ強い事くらいだろうが!
カイ殿に何かあったらどうしてくれる?!」
「そんなに心配するなら連れてこなけりゃ良かっただろ!!」
「カイ殿が来ると言ったのだから仕方ないだろう!!」
「お前こそ保護者のくせにどうにも出来てないじゃないか!!!」
大人が雁首揃えて責任の擦り付け合いです
そんな大人達をしり目に
「セイさんが手紙で書いてくれてたとおり、いい所だねここ!」
「だろう?
他にも面白い場所が沢山あるから、一緒に行こうね」
「うん! 行きたい!!」
子ども(一名は外見だけだが…)達は楽しげに会話をしております
セイはセイで、完全に和み朗らかモードオン。普段のドス黒さなんぞ、微塵もない
周りはきっと、どうしてカイが一緒に暮らす事にならなかったんだと心の底から嘆いている事でしょう
「そうだ、カイ。今度は映画に行こう」
早速誘っている……つかお前、いつ行くつもりだ。また暫く働く気なしか、このニートが
そして周囲は、完全に傍観決め込み
(勝手にやってろ)
皆揃ってスキル上げ
つか、何時の間にかシュウさん帰ってるしナ。本当に、気がついたら消えてました〜
……まぁ。彼に対する態度は兎も角、カイに対して危害を加える事は絶対ないからねセイは
そういう点じゃ、放っておいても安心だという結論に達したのか
そして、楽しい時間はあっという間……
お別れのはぐ(強制。見たかってん…!)
「わぁ、もうこんな時間」
「え……カイ、もう、帰る……?」
「うん。ずいぶん長居しちゃったみたいだから」
「何言ってるんだよカイ!
むしろこの家に引っ越してきてくれてもかまわないんだよ?!」
「あはは、ありがとーセイさん。じゃあ、ケイ達が待ってるから帰るね(悪意無)」
「(激しく落胆中)……あぁ……本当に、楽しい時間てあっという間なんだね……凄く残念だけど……」
「ぼくもざんねんー。今度はもっとゆっくりあそぼーね!」
「勿論だよ……!!」
「また電話するからー!!」
後姿にそう叫べば、彼は笑って手を振りながら……遠ざかっていった
見送りに出た身体を、寒々しい風が叩いていく……
「……あぁ。カイが去った後って、なんて虚しいんだろう……」
玄関前に立ち竦み、遠い目しながら抒情詩の主人公に浸る馬鹿英雄を
「…………ホント、一回死んだ方がいいんじゃないの」
請求書の束となけなしの金を握ったルックさんが、青筋を立てて見ておりましたとさ……