そんなわけで
前回データが消滅し、全てが元の木阿弥となったシム世界
だけどこんな所で、奴等の愉快な生活観察を止められるわけもなく。再びの始まりです!



「ってわけで」

「前の家が崩壊したから、新しい家に引っ越してきたわけだけど」
「……崩壊させたのは誰だよ」
「僕だって言うのか? それは責任転嫁ってものだろう、ルック」
「どこが責任転嫁だって? ソウルイーターぶっ放したのは誰だ!!」
「吹っ掛けてきたのはルックのくせにー。それに、威力はそっちのが遥かに強かったよー」
「威力を上げなきゃ真の紋章を防げるわけないだろ! 本気で撃ってたくせに!!」
「いやだなあ、僕はいつだって真剣本気じゃないか?」
「余計質悪いわ!!!!!!!」

早速の言い争い。家に入るまで待つ事も出来ませんとも
ルックに背中を向けてる辺り、多少は後ろめたいと思っているのか。むしろどうでもいいのか

背後では役に立たない大人二人が見守ってます

「まあまあ、取敢えず落ち着けよ」
「この状況で落ち着け?! あんた本当に馬鹿じゃないの! 脳まで熊化した訳!?」
「八当るなよ、ルック……まあ、喚きたくなる気持ちも分るけど。結局の所、前の家を壊したのはお前等だろう」
「えー、僕の所為にする訳ですかー」
「所為も何も、どう考えてもお前等の所為だろ。家の中で紋章戦始めやがって……」
「あんな力をぶつければ、普通は倒壊するに決まってる……」
「壁や屋根は崩れても、アースマイン城自体は傾いた事ないぞー」
「お前な……あの城と普通の家を比較対照にするな」
「それに、ここじゃ壊れたら誰も直してくんねーしよ。シュウの説教で済んだ、あの時とは違うんだ」
「分ってるよ。だから、それなりに責任とって新しい所を探してきたんじゃないか」
「……責任とって? 責任とってこれ?」
「前より広いし、いい場所だよ」

広大な野原

「どう見ても空き地だろうここ!!!」
「僕が買ったから僕の土地だよ。空き地じゃないって」
「そういう問題じゃない!!! 家は!!?」
「これだけの土地買って、そんなお金残るわけないだろー」
「馬鹿かお前は!!!!!!」

切れに切れまくっているルックさんを前に、駄目な大人二名は口すら出せません

「つーかさ、シーナは何処行ったんだシーナは。こういう時のあいつだろ?」
「そういえば……姿が見えないな」

恐らく事情を知っているであろうセイに聞けば良かろうに
現在はルックと抗争中のため、下手に口を挟むと住んでいた家と同じ状態になりかねないので
取敢えず黙っておくダメ大人の見本二名

「……ああ。もういい。馬鹿馬鹿しくなってきた……」

怒鳴り過ぎて血管切れたのかも。ルックさん、戦線離脱
放置されてた新聞拾って、無人の野に歩き出しました。彼には、家の幻覚でも見えているのでしょうか…

「怒るなよールックー。僕だって考えてるってばー」
「なんだ、家も建つのか?」
「当たり前だろう。僕だって寝るならちゃんとした場所がいい、身体痛くなるし」
「寝る場所より、飯のが困るっつーの」
「ビクトールはそうだろうね。まあ兎も角、家も勿論建てるつもりだ」
「それで、いつ建つんだ? 大工も道具も材料も見当たらないが」
「材料は、今から調達だ」
「「は?」」

「この辺、玄関にしようか?」

「……セイさんセイさん」
「何?」
「もしかして、大工は……」
「君達に決まってるじゃないか(イイ笑顔)」

新聞読んだまま、完全に明後日の方向を見ているルックが切ない……

「…………セイさんセイさん」
「何?」
「俺達、家なんて建てた事ないんですけど……」
「大丈夫。僕もない」
「意味分んねえ! 大丈夫の意味が分んねえ!!」
「えーっと、取敢えず床貼ろうか」
「「本気なのかお前ーーーーーーーーーー!!!!!!」」

でも貼っちゃう

「うん。広さはこんなものでー」
「貼っちまいやがった……」
「な、何でも出来るって、こんな事まで出来るもんか……?」
「……何でも出来るって、限度越えてると思うんだけど」
「なーに言ってんのルック。人間、やれば何でも出来るもんだよー」
「いや、出来ねえから。普通出来ねえから」
「本当に底が知れんな……」
「はあ……」

もう人外と云う事でいいと思います

そんなこんなで、彼らの自宅制作。はじまりはじまりー
リサイクルリサイクルで廃材や使える物を集めに集め、素人集団で家作り
早々に倒壊する事間違いなし、某設計事務所も真っ青の物件の出来上がりです!

家の全形写真はちゃっかり撮り忘れました!
でもやっぱり窓はほぼないし、壁紙も当然のように皆無です!!

そして、早速自分達で作った家を評価中

「洗面所の鏡、誰が持ってきたの」
「俺だ。丁度良いのが見つかってな」
「シャワーの型古いー」

見つかっただけで有難いと思って下さい

「やっぱ、ゆっくり座れるソファーはいるだろー」

多分自身のベッドになるのであろうソファーは、やっぱ自分で調達してこなきゃね
早速座って、荷運びで疲れた身体を休めましょう

多分、このテレビもビクトールの調達

「持ってきたは良いけど、映らねえなあ……なんでだ?」
「電気が通ってないからに決まってるだろう」
「ぼーっと映画でも見ようと思ったのによー」
「柄でもない事するの止めて、あいつに文句言ってくれば」

噂をすればなんとやら

「僕が何?(笑顔)」
「ビクトールが、あんたに話があるってさ」
「ルックてめえ!!(汗)」
「何? ビクトール」
「い、いや。別に大した用事じゃねえから、気にすんなよ。それじゃ!」

即行で立ち去ろうとするビクトールさん。そんな怯えんでも…
でも、それがつまらなかったらしいセイ。何を言うでもなく、ぶらりと消えたと思ったら

何やら良さげなソファーに座ってるし

「……その椅子」
「うん。いい椅子だよ、座り心地も最高だし」
「明らかに、捨ててあったものじゃないね」
「うん。買った」

あるじゃん金!!!!!!

と突っ込もうと思ったルックさんですが、自分も廃材まみれの生活は嫌なので
取敢えず黙って、放ってある新聞を回収して立ち去りました。勿論、わざとらしく溜息をつく事は忘れずに
そして、少し時間が経った後……

こっそり、腰掛けてみた

「はあ……確かに、座り心地がいいね。これは」

しかし、即行で破られる安息

「なーにしてるんだーるっくー(笑顔)」
―― ……もう嫌だ……

その頃、ソファーにどっかり座ったままのビクトールさんは

「動いたし、腹減ってきたなあ……」

 



江戸の華