あ、あっちの方のテーブルに行ってみようー♪


酒場のテーブルを外に出して並べたかのような一角だ。

みんな酒を飲んだり、食べたりとそれぞれに楽しんでいる。


はその中に気安く声をかけられる相手を発見した。

「わい。 ビクトールさーん! ハンフリーさぁん!!」

たったったと手を振りながら走ってくるに、ビクトールが手をあげて答えた。

「よお、

「……」

ハンフリーはいつもの事ながら無言で答える。


「相変わらず飲んでますねぇ」

もどうだ?」

「ちょうど喉乾いてたんで、ご相伴に預かります!」

「おう、座れ座れ」


ビクトールに言われて、遠慮なく使われていないイスを横から持ってきて、ちょこんと座る。

なみなみと注がれたジョッキを渡されて、の顔がへにゃんと崩れた。


酒に飲まれるのは嫌いだが、酒を飲むのは好きなのだからしょうがない。


「えへへ、いただきまーす。 あ、ビクトールさん達にも注ぎましょう!」

「おう、サンキュー」

お返しをしてから、いただきます、と小さく言って、まず一口。

「うん、おいしい♪」

唇に付いた泡をぺろっと舐めて、は満足そうに言った。

そしてまたゆっくりと喉に流し込む。

はいける口だな」

「わかります? でも普段はちゃんと控えてるんですよ」

「ふぅん」

「だって私のとこじゃ20歳以下の飲酒は、犯罪ですから」


その言葉にハンフリーが傾けていたジョッキを戻し、を見た。


その視線に慌てて手を振って

「あ、あ! 飲むときは加減してるから大丈夫です!」


なんと言ってもはまだ花の17歳なのだ。 この国ではぎりぎり子供だろう。


「そういう問題かよ(笑)」

「お酒は楽しんで飲むものですから」

悪びれなくにこっと笑って返すにビクトールが一笑する。

「違いねぇ」



空にしたジョッキをことんとテーブルの上に置き、ぽそっと言う。

「そろそろ食べ物が欲しくなった……」

「おう? 行くか?」


「ビクトールさんたちは食べるもん、いらないです?」

「あぁ、つまみがあるから気にすんな」

「つまみ……あ、いけね、忘れるとこだった!」

「どうした?」

は慌てて、背負っていたリュックを降ろし、中から小さな包みを二つ出す。

そしてそれをビクトールとハンフリーの前に置いた。

緑のリボンと白いリボンでそれぞれに結ばれている。

「これ、おつまみセットです。 カシューナッツとかバナナの乾燥砂糖漬けとか入ってます。 お酒に合います」

「そんなの持ち歩いてんのか?」

「えへへ、クリスマスプレゼントー☆ バナナの乾燥砂糖漬けは自分で作ったんですよー。 

 あんまり甘くしてないから安心して食べてくだい」

「へぇ、の手作りねぇ」

言いつつ、マジマジ見た後一個、ナッツを一つ口にする。

確かにほんのり塩気があり、酒には合いそうな味だ。


「じゃあ、私、散歩がてら食いもの巡ってきまーす!」

「おう、ありがとよ」

来たときと同じようにが手を振って駆けてゆく。




それを見送りつつ、ビクトールは小さく笑った。

「いつも元気だねぇ」

今度はが作ったバナナの乾燥砂糖漬けを口に入れた。

ほんのり甘いが……ナッツと交互に食べると程良い味加減かもしれない。

「顔……」

「ん?」

「……赤く、なかったか……」

ハンフリーの言葉に顔を見合わせる………………

しばし無言……




「………………加減して飲んでるってたから平気……じゃないか?」

そう言ったビクトールの言葉は、自分にも言い聞かせてるようにも聞こえた。


そんな心配をされてるとはまったくしらない





☆あれ? あそこに見える赤と青は……


☆ちょっと飲み過ぎたかな? どっかで涼んでこよう