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新同盟軍の本拠地もすっかり寒くなった頃 「クリスマスのお祭り?」 城の中。部屋に戻る途中、ケイに呼び止められたは、驚いた表情でその顔を見た。 「こっちにもクリスマスのお祭りってあるんだぁ」 「うん、だからも絶対参加してよ!」 「もっちろん! いろんなもの持ってくるねー!」 「楽しみにしてるー!」 クリスマスかぁ……こっちのクリスマスってどんなんだろう♪ クリスマスに愛を込めて ざわざわざわざわ…… 城の庭がいつもより一層賑やかに、そして多くの人で溢れている。 兵士も城の住人も、戦時の中の一時の祭に浮かれ楽しんでいるようだ。 はわざわざ用意してきた赤いミニのサンタドレスを身に付けて辺りをきょろきょろしている。 髪もいつもの紐でなく、ふわふわの飾りで結んでいた。 実のところリップなんかもつけたりしているのだが、 朴念仁の多いこの軍では、気づいてくれる人なんてたかがしれてるだろう。 もちろんはそんな事は期待していない。 要は気分なのだ。 同盟軍のこの城に来て、楽しいことはたくさんあったけども、 こんなふうに賑やかなのは初めてなので、どきどきしている。 きょろきょろしながらも、セイの後ろに隠れるように、離れないように歩く が、もともと好奇心の強いのこと。 見慣れない飾りや、美味しそうなご馳走に自然に足が踊り出している。 「……すごいお祭りだねぇ」 思わず呟くと、セイが振り返った。 「は初めて?」 「うん、こんなにすごいのは。 私の国じゃこんなににぎやかなのは……あ、してるかもだけど、私は知らない。 初めて!」 「都市同盟でも珍しいらしいよ」 「あ、聞いたよ。 なんか地域によるんだってね?」 「みたいだね」 ハイランドの方やトランではクリスマスの祭もあるらしい。 が、一歩変わって都市同盟の方になるとほとんどない。 クリスマス……の世界……現代とは似て異なるものらしい。 この世界ではもちろんキリストなんていやしない。 だから樅の木を飾る習慣もない。 でもサンタはいるのだ。 もちろんこれも、お菓子やおもちゃを子供達に配る役割の大人を差して言うだけで、 トナカイに乗って、真夜中に現れたりはしない。 でも赤い服なのは同じだ。 一通り飾りに見入った後はもちろん…… 「ところで……これ、好きに食べていいのかなぁ……」 今にも涎を流さんばかりに、出されている料理を見ているに セイが笑って答える。 「いいよ。 というより、もうみんな好きに食べてるし」 実のところ、は昼食といつもは大抵する三時のおやつも我慢してきた。 もちろん、ハイ・ヨーさん特製のこのご馳走を少しでも多くお腹にいれるため 「セイくん、なんか食べる?」 今にも飛び出して行きそうな心にブレーキをかけてセイに聞く。 だって、一人で食べるのはやはり気がひけるのだ。 「そうだね。 何か少し、もらおうかな」 「うんじゃあ、ちょっと行って来るね!」 セイが言ってくれたのをこれ幸いと、たったかとスカートを翻し、料理の並ぶテーブルに向かう。 「うあー、これ、美味しそう! これもーー♪」 たちまちいっぱいにしたお皿を二つ、両手に持ってセイのところに戻る。 その顔は宝物を手にしたようにほくほくだ。 ざわざわざわ……………… 「私、あっちの方も見てくるね? セイくんはどうする?」 「僕はここに居るよ」 「うん、じゃあ、またここに戻ってくるね! いってきまーす」 「いってらっしゃい」 セイに見送られ、は楽しそうに走り出した。 1,あ、あっちの方のテーブルに行ってみようー♪ 2,そういや、プレゼントも配られてるんだよね! 3,うーん……あいつ、絶対来てないだろうな…… |