花びらが  風に揺られて 舞っていた











花びらに愛を込めて









満開に咲いた桜の下にいた


仄かな桃色を帯びたスカートの裾が風に靡くと

同じ薄い花びらも風に乗り、頭の上に落ちてくる


手を

手のひらを広げてみた


はらり


それを待っていたかのようにその上に一枚


花びらが降りる


「……」

身に纏う衣服と同じ色の唇が動いた

その音は小さくて、聞こえていたのは手のひらの花びらだけかもしれない


少し強い風が一陣 


手のひらから 花びらを攫っていく



視線で追うが それはあっという間にほかの花びらに紛れていってしまった


もう一度今度は両手を広げようとした、その時


「え?」


後ろから自分の名を呼ぶ声に気がつき、振り返る








「あ、やっぱりちゃんだ!!」


「こんにちわ、さん。 良い天気ですね」


「あ、さん、こんにちわー!」


「こんな時間に女性の一人歩きは危ないですよ」


「……?」